Internet Gallery 常設展示

Atelier de Ren(アトリエ・ド・レン)では、戦後から1970年代に活動した絵描きである故・小川蓮太郎の作品を、1976年に発行された「画文集 小川蓮太郎」より選び、転載して展示しております。ひと月に一枚という期間限定での展示となり、毎月違った作品をインターネットギャラリーでお楽しみいただけます。

 
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  赤い建物

     (油彩 65.2×45.5cm)
 
1973年頃の作品。
モデルは、明治の建築家・辰野金吾、片岡安によって設計された、福岡市内の旧日本生命九州支店・赤煉瓦文化館である。
 
19世紀末に英国で流行した赤煉瓦と白い石材の組み合わせのデザインを、印象的な色合いと構図で描いている。
 
全体的にはトーンが統一され、日の光が薄れていく様が落ち着いた印象で描かれているが、その中に特別にレンガの赤が美しく映え、建物そのものの存在感をより際立たせている。
 
川面に映る影もまた、時の流れや空間のゆらぎさえも感じさせるようで、その美しい陰影に引き込まれ、建物の赤が変化しているようにさえ見える。
 
暮れなずんでいくたそがれ時、赤レンガの色が刻々に変化して、逃げていく美しさをとらえるべくもない。
(画文集 小川蓮太郎 より抜粋)
 

インターネット画廊 展示期間 2022.7.1~7.31


小川蓮太郎 略歴


1915年 佐賀県北方に生まれる
1933年 東京美術学校(現:東京芸大)油絵科入学
1938年 同学卒業
1947年 第1回個展・福岡県直方市にて
    以後、東京・福岡で36回個展開催。
    生涯団体に属さず、個展で作品を発表する。

1950年 西南学院中学・高校・大学教諭
1967年 九州造形短期大学教授
1969年 朝日福岡文化センター講師
    渡欧9回
1976年 「画文集 小川蓮太郎」発行
1979年 サン画廊にて個展
    享年64歳
 

 
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